1.「戦後」における1968年
1968年(昭和43年)、その年号とともに記憶されるべき事件はいくつかある。フランスにおける五月革命、チェコ・スロヴァキアにおけるプラハの春とワルシャワ条約機構軍による介入、サッカ-における釜本選手の活躍が著明なメキシコ・オリンピック、三億円事件など。だが、1968年当時学生であった日本人が思い出さざるを得ないものが「大学紛争」ないしは「学園紛争」と呼ばれた一連の騒動なのではないだろうか。敗戦直後に出生し現在50歳付近で日本社会を担うベビ-ブ-マ-と呼ばれる世代は、まさに時代の当事者であったのであり、傍観者であったのだ。
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